現場の声
学校現場の声
現在の子どもたちは、他者への思いやりの心や迷惑をかけないという気持ちの乏しさ、基本的な生活習慣の乱れ、人間関係を形成する力の低下などの傾向が見られます。そこで本プロジェクトに取り組むことにより、子どもたちが「他人の思いや願いを想像し、他人の役に立つ行動をしていく」、そんな力を身につけていくことが期待できます。
現代社会が求めている人材は、知識量や記憶力に留まらず、人々や社会のニーズを的確に捉え、必要なモノを想像し創造できる「想像力豊かな人材」であると思います。このような人材を育成していくために、本プロジェクトは有効であると考えています。
男性教諭
「相手の気持ちを考えなさい」と今まで何十回、何百回、それ以上言ってきました。教師という仕事を始めてから今まで、子どもたちが、「自分」の気持ちだけで動き、いかに「相手」のことを考えて行動できていないかを痛感しています。
子どもたちは、自分の気持ちですら「想像する」ことが苦手です。相手の気持ちはなおさらです。子どもに、「自分で考えてごらん」というと何も思い浮かばないと言う子は多いように思います。
しかし、人はその先を「想像する」ことが常に求められています。自分の気持ちを想像し、相手の気持ちを想像しながら社会の中で力強く生きていかなければなりません。そのために、子どもたちに必要なものは何なのか、教師として子どもたちに身につけさせるべき力をしっかりつけてあげることが使命であるといつも感じています。
女性教諭
近年の教育課題の一つとして、児童の想像力の低下が指摘されています。スマートフォンやタブレット、ゲーム機といったデジタルデバイスの過剰な使用が、その原因の一つと考えられます。これらのデジタルコンテンツは視覚や聴覚に強く訴えかけ、子どもたちは自分で想像する代わりに、提供される映像や情報に依存しがちです。
また、生成系AIが進化し、これからの時代にはAIと共存していくことが求められる一方で、AIに頼りすぎず、自分自身の想像力を育てることがますます重要になります。想像力は、問題解決や創造的な発想、正しい判断を行うために欠かせない力であり、単に知識を覚えるだけでは養うことはできません。
このプロジェクトを通じて、普段意識しにくい想像力に対して新たな視点からアプローチし、その向上を目指すことができると考えています。
男性教諭
様々な情報が簡単に手に入る現代。子どもたちは、必要な情報を簡単に得るだけでなく、特に必要に迫られたわけではない情報も、自然と手に入れることができます。一度に多くの情報が手に入るという利点もありますが、一方で、与えられる情報に頼りがちになってしまうという難点もあると思います。
子どもたちの普段の様子を見ていても、何となく正解に近いものが見つかれば、「これでいいや。」と簡単に決めてしまい、そこに深く考えを巡らせたり、客観的に自分の姿を見つめたりすることが少なくなっていると感じます。
だからこそ、楽しみながら活動する中で、自然と自分の思いや考えを広げたり、自分自身の新しい可能性に気付いたりすることができる時間をつくっていくことが必要なのではないでしょうか。これからの未来を生きる子どもたちにとって、こうした時間こそが、大きな一歩となると信じています。
女性教諭